時空を越えて

義母の家の居間の奥にプラスチック製の引出し家具がある。
「今思い出したけど、通帳は一番したの引出しにある!」と言い出した。ピンときたみたいだ。しかしそこに通帳が無い事は確認済みだ。「思い出したから取って来て」と言う。ここは新潟の家ではないよと説明するが「隣の部屋だがね」と言う。頭の中で金沢の家の部屋は新潟の家の居間に繋がっているようだ。自分で立上がり確かめに歩いて行って繋がっていないので少し混乱していた。
毎日又は一日おきに入っているお風呂なのに「ここのお風呂は初めてだー」と言う。なのでいつもより丁寧に使い方を説明した。
夜中0時を回った頃、そろそろ寝ない?と聞くと「しょうちゃんが寝てるがね」と言う。どこの[しょうちゃん]なんだろう?
明後日久しぶりに義母は新潟に帰る。1人で電車に乗っていられるのか不安だし、金沢に戻ってくることができるかも心配だが帰りたい母の気持ちと帰って欲しい私の気持ちは一致している。